業務中に営業電話が来ると正直少しイラっとしてしまいますよね。
わたしも営業電話を受ける側だったときはそうでした。
新規のお問い合わせかとドキドキしながら電話をとってみると「株式会社○○の△△と申しまして、SEO対策の件で……」さすがにガチャ切りまではしませんが、やはりガクッと落胆しますし、話は深く聞かずにお断りします。
営業電話って意味があるの?
こんな営業電話で本当に効果あるのだろうか、と思っていましたが、WEB制作事業を始めて顧客獲得を考えた時に、やはり営業電話は頭に浮かびました。
WEB制作会社がWEBではなく電話営業で顧客獲得を目指すのか!と言われると大変耳の痛い話ではあるのですが、やはりできることは何でもやってみないといけません。
もちろんSEOやリスティング広告など、WEBを活用した集客と並行しながらではありますが、毎日ある程度の時間を割いて電話営業にも取り組んでみました。
そしてことごとく断られ続けました。
電話営業で冷たく断られるというのはやはり心にきますね。
これからは自分が電話営業を受けた時には少しくらい話でも聞いてあげようという気持ちになったほどです。
しかし、100件以上断られ続けた中で、「あ、これは意味のない営業だったのだ」ということに気づきました。
せっかく心をバキバキに折られながら得た知見なので、皆さんにもお伝えしようと思います。
営業電話が断られる理由
WEB制作の営業電話ですから、ざっくりいうと「新しくホームページを作りませんか?」という営業です。
営業メンバーでかける相手が被らないように、業種を割り振ってそれぞれが片っ端から営業電話をかけていったのですが、わたしの担当は耳鼻科でした。
近頃はかかりつけの医者だけでなく、Googleマップなどで調べていく患者も多いでしょうし、独自のホームページを持っていない耳鼻科は意外と多く、需要があるだろうと考えました。
また、それなりに経済的な余裕があるお医者さんなら、月々7,980円でホームページを制作・管理できる当社のサービスは契約締結までのハードルも低いだろうという思いもありました。
そんな考えから、独自のホームページを持たない耳鼻科に片っ端から営業電話をかけました。
しかし、最初にも言ったように、まったくうまくいきませんでした。
ホームページ制作の営業だとわかるとすぐに断られてしまい、サービス内容を伝えることすらできません。
ここまで読んで、そりゃ上手くいかないだろう。とすぐにわかった人はもうページを閉じてもらって大丈夫です。
ここから先の気づきは、あなたが気づいたこととおそらく同じです。
10件20件断られながら、どうして上手くいかないんだろうと考えましたが、自分の営業トークが悪いのかな?くらいしか思い浮かびませんでした。
だって今電話をかけている病院はすべてホームページを持っていないのです。
当社のサービスはよいものだと思っていますし、価格的にも手を出しやすいはずです。耳鼻科の平均単価が4,000円~5,000円ほどらしいので、当社でホームページを作ってGoogleマップに載せることによって、月に2人患者さんが増えれば元を取れるのですから、悪い話ではないでしょう。
これは自分の伝え方が良くないだけだと思い、その後も電話をかけ続けますが、ある耳鼻科でこんなことを言われました。
「別にこれ以上集客しようとも思ってないからね」
ここ十数年間は病院にも行っていないので忘れていましたが、病院はいつも待合室に人がいることを思い出しました。
そして診療時間が18時までだったとしても、19時や20時くらいまで患者さんがいれば診療を続ける病院も少なくありません。
そういった病院は、わざわざ自分のホームページを作らなくても、無料の「病院ナビ」なんかに情報を載せていれば集客としては十分で、これ以上増やしたいとも思っていなかったのです。
彼らはホームページを作れなかったわけではなく、本当に必要なかったから作っていなかったのです。わたしがどんなに必死に集客力の向上やサービスの良さを説明しても、必要のないものなので興味がわきません。
どんなに性能の良いテレビでも、そもそもテレビを必要としていない人には売ることができません。
そこで初めて、ターゲットを間違えていたことに気づいたのです。
ニーズがない営業に意味はない
その後、ターゲットを、すでにホームページは持っているが古くなっているところや、SSL化されていないサイトを使っているところに変更して営業をしていったところ、もちろんすぐに断られることも多いですが、かなり話を聞いてもらえるようになりました。
また、病院以上に集客に力を入れている飲食や美容院なども同様に話を聞いてくれるところもあります。
サービスや商品が良いものであれば、きっちりターゲットを絞れば営業はうまくいきます。
営業をどれだけかけても上手くいかないという場合は、そもそも商品やサービスに魅力がないか、営業相手を間違えているかです。
ニーズを考えない営業に意味はありません。